5. Arbore Monastry アルボーレ修道院

 

                                            

                                              画像:2016/06/03 門前

 

画像:2016/06/03 アルボーレ修道院 南面壁画

 

画像:2016/06/03撮影。上の写真の壁面右上、「最後の審判」拡大図。上方キリスト像は剥落している。

 

画像:2016/06/03撮影。「デイシス」。場所は「最後の審判」の真下。

 色は剥落しているが、実に美しい絵だ。中央にハリストス、その左にマリア、右に洗礼者ヨハネ。他に種々の天使達、殉教者達、このなかには聖新ヨハネもふくまれている。姿形が実に優雅であり、色彩は剥落しているが、真珠の刺繍のある服などもみわけられる。

拡大図:

画像:2016/06/03撮影。デイシス。

 

画像:”Medieval Monuments of Bukovina” ACS, P107

身廊、丸天井から東南方向を見る。頭頂部が全能者ハリストス、一番下が「降誕」。

 

画像:2016/06/03撮影。身廊、北壁。

 

画像:2016/06/03撮影。身廊、南側コンク頭頂部が「聖霊降臨」(Pentecost)。窓の上部は

「Infant on the Paten(皿の上の幼児)」ではなかろうか?

 

 現在補修中で、私たちは見学できないが、後陣の天井部分の聖処女図は次の通り。聖処女が玉座に坐り、四人の大天使が彼女を取巻き、下面を赤色の四人の熾(し)天使が固める。

画像:”Medieval Monuments of Bukovina” ACS, P118

 

画像:2016/06/03撮影。ナルテックス、東壁。(Iconography 22. Irod's Banquetを参照のこと)


 

 さて、ナルテックス西壁なのだが、下の写真の内、上部は公会議風景、また下部は女性聖人像であるから、これは措くとして、中段の画像なのだが、どうも腑に落ちない。

画像:2016/06/03撮影。ナルテックス、西壁。聖十字架の行進の北側部分。(コンスタンティヌス大帝の十字架の幻影だというのだが、十字架が見えない?)

画像:2016/06/03撮影。ナルテックス西壁、聖十字架の行進の南側部分。(北側部分との因果性が感じられない?)

 

解説:”Medieval Monuments of Bukovina” ACS, P112

(西)壁の中心軸に沿って描かれている壁画のなかで、とても猛々しく独創的な作品は、ヘロデ王の宴会である(22. Irod's Banquetを参照せよ)。画面は鋭角を作るテーブルのまわりに構成される。この場面構成が全体にたいして上方への遠近法を作って居ることが特別に興味深い。金黄色の覆いマント(maphorion)を身に纏うちょっと変わった聖母子像は天使達によって崇拝され、身廊へと通じる石門の上に乗っている。他の壁の上方には、全キリスト教会公会議の絵が七枚飾られている。西壁の中段は聖コンスタンティヌス大帝にあてられている。北半分には有名な十字架の幻影(ミルウィウス橋の戦い=コンスタンティヌス大帝とマクセンティウスとの戦い、October 28, 312、の際、十字架が空中に現われた)が描かれている。南壁には、Finding of the Holy Crossとthe Elevation of the Holy Crossが画かれている。窓のアーチ型腹面(intrado)にはマリアの聖歌”All of Creation Rejoices in Thee”が画かれているのだが、ここでも再度聖コンスタンティヌスを発見することができる。彼は聖人達のグループの中にいる。スラブ系の支配階級(boyar)の居住地域の教会の全てがそうであるように、一番下の段は背が高く、豪華な衣裳を着た人物-Holy Women-のために確保されている。

 

 ナルテックスの南東隅が埋葬室になっていて、奉納画が描かれている。Boyarという称号の大貴族Hetman Lucaのアルコソリゥム(arcosolium、壁龕)。この下が地下埋葬室となっている。

画像:”The Monasteries in Bukovina” P114

拡大実写画像は、次。(いずれも2016/06/03撮影)

 さらに二人の子ども達を拡大すると、

 

次へ