ミャンマーの金箔(2)

 

箔打紙の作り方

 

   原料は竹。現地名Lanu Bamboo、学術名Dendro Calamus Strictus。下の写真で見る通り、日本の竹と

変わりません。この表皮を剥ぎ、節を除去し、縦割りに裂き、これをさらに圧搾する。

画像:Dendrocalamus strictus。インド原産。

 

   石灰を加えて水に漬け(何年なのか見落としました)、パルプを精製する。

  出来上がったパルプが次。

     

 

  こうして造られたパルプを抄紙して、6” x 6”のサイズに切断して、竹紙原紙を作成する。(上に載って

いるのは文鎮です)

 竹紙の作成にかんしては中国の『天工開物』を参照してください)

 

 こうして作成された竹紙原紙を真鍮台の上で木棒で叩く(叩解)。木棒は現地名Pa Shu Pinという名前

の木です。うるさいので作業は防音のため半地下の作業場で行う。叩解時間は30分間。

 

   こうしてできあがった箔打紙。透明度が増しているが、皺々だ。この皺は箔打の工程でなくなる。

見事なできあがりだが、使い心地については使ってみていないのでわからない。

 

 

 こうして造られた金箔はミャンマーの仏教関係構築物で大量に消費されている。

 

この写真はマンダレー近郊サガインの「カウンムド・パゴダ」(Kaungmudaw Paya)での金箔貼付作業。大きなパゴダの装飾中である。現在はこのドームが全面金色となっている。

                                  

                                    画像:現在のカウンムド・パゴダ

 

  チャイティーヨのゴールデン・ロックで金箔奉納をする人達。金箔の大きさが小さいことがわかります。

 

   ちなみに、マンダレー最大の「マハムニパゴダ」のなかの釈迦牟尼像は貼り付けられた金箔で盛り上

がっています。ミャンマー人の宗教心は奉納する金箔の回数と量に比例するのです。

2006/12/16撮影。

 

以上。

 

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