東京短信(2) 2015/10/28

 

 大学の教養部に在学していた時代に、とても仲良くしていた友達が、「一度会おうか」と声をかけてくれたので、パスポートの受取の機会を利用して東京で会うことにしました。

 いつも私がご馳走になっているので、今回は私がお返しをすることにしました。選んだ場所は人形町。

 昔、商社時代に外人のご接待をよくした懐かしの場所、「今半」。私はここが日本一の牛肉を食べさせてくれるところだと堅く信じているのです。

 

画像:人形町今半本店

 しっとりした外観で、中に入ると多数の女中さん達が待ち受けています。二階の和室に通されて、いざすき焼きです。

 

私たちは一番上等の「極上」という牛肉を注文しました。本日は鹿児島でございます、と説明がありました。日本一のプロ中のプロが自信をもって言い切るのですから、間違いはありません。

写真で見るとおりたったこれだけの品です。昼食はこれに最後に僅かのご飯がつきます。


画像:これがすき焼。まかない女性が目の前で焼いてくれる。この日の極上肉は鹿児島産のお肉だったが、素晴らしく美味しい。ランチの通常サイズで120g。一人1万円だった。

 実に舌がとろけるほど美味しいお肉でした。生きていることが実感できる感覚です。

 

 食事が終りお勘定が済むと、店の人が人形町界隈の地図を渡してくれます。この界隈にはいろいろの店がありますが、人形焼きを食べ歩かれてはいかがでしょう、とお勧めがありました。

 その人形町の人形焼きの店のなかでもっとも有名な店がこれ。

画像:「甘酒横丁」大正5年(1916年)創業の「高級鯛焼本舗 柳屋」

店内に長い行列ができている。鯛焼きがお目当ての人でないと並ぶ気にはなれないのだが、とても美味しいらしい。

画像:柳屋の鯛焼

 人形町は鯛焼きばかりではありません。たくさんの古い日本の(江戸の)情緒が残る町並みを歩きます。

 

街頭風景

緑でいっぱいの小路もある。

 丁度昼食時間だったので、蕎麦屋では立ち食い客も。まるで大坂の雰囲気だ。

町中に立つ火消し櫓。

 江戸時代はここが物流の中心地だったのですね。水天宮は改築中でした。明治座は私はまだ入ったことがありません。

 江戸情緒を味わうためには最適の場所なのも、戦災に会わなかった数少ない場所だからのようです。東京でブラブラ歩きをしてひどく楽しい場所の一つでしょう。

 

 なにも極上牛肉1万円でなくてもよいから、東京在住の同窓会員がこの今半で集り、昼定食を食べ、食後に人形町で鯛焼きを買い、その後東京メトロ日比谷線で上野に移動して、入館無料の東京国立博物館で古美術の鑑賞をしたらどうだろう。京阪神大学卒業生もそろそろ東京音痴を捨て去る時期にきているのではないだろうか?

 

 では、皆様ご機嫌よう。